ヨルスケが出てくる所からのみ(9、10話はヨルスケの台詞のみ)
クロード「…………ふむ 竜胆からの連絡はまだないか」
???「―――あっれー??」
ノノイン「クロクロ発見~っ♪」
ヨルスケ「意外だね 君と、夏のビーチなんていう組み合わせは……☆」
クロード「ノノインにヨルスケ…… 何故ここに?」
ヨルスケ「何故って、俺達はエンターテイナーだよ?? こんなイベントだ 勿論仕事さ」
ノノイン「いっえーす☆ アイドルとして!藝人として!この後ステージがあるんだぁ♪」
ノノイン「クロクロは担当の企画がある ……ってワケじゃないよね??こんなとこで何してたの??」
ヨルスケ「ふぅん…… あのマスコット君の仕業でここへねぇ」
ノノイン「そしてそして☆ ヒナぴよとピモたそを探してる……と!!」
ノノイン「ん~~っ でも力にはなれないカモ わたし達ずっと楽屋にいたの」
ヨルスケ「だから見かけようもなかったんだよねぇ 悪いね」
クロード「いや…… 協力感謝する」
ヨルスケ「それにしても こんなところに来てまで迷子探しとは お巡りさんも大変だねぇ」
ノノイン「うんうん☆ 折角来たのに夏を満喫できないなんて~」
クロード「夏を……」
ヒナリア「アイス食って暑さを凌ぐ それが『夏』の醍醐味だってのに~」
ピモタ「みんなで 夏を まんきつ しようよ」
クロード「分からんな…… みな夏、夏と言うが一体何故そこまで浮足立っているんだ?」
ノノイン「えっっ!?!? クロクロ 海に来てワクワクしたりソワソワしたりしないの??」
クロード「全く」
ノノイン「ええ――――っ!?!?」
ヨルスケ「……クロード君や 君は知らないかもしれないが 世の中にはたくさんの驚きや楽しみが満ち満ちているんだよ?」
ノノイン「なんかアイドルとしてキラキラを教えてあげたいよ……」
ノノイン&ヨルスケ「……不憫な子」
クロード「な、なんだその目は……」
ノノイン「クロクロ、良かったら わたし達のステージ見て行かない?」
ノノイン「絶対楽しいからっ! ねっっっ??」
クロード「いや俺はヒナリアとピモタを探さなければ――……」
ヨルスケ「そうと決まれば一名様ご案内~!」
クロード「お、おい 話を聞かないかッッ!」
ヨルスケ「さあさ、お立会~い 『ヒヤリとしてハッと!?涼しくさせて魅せやしょう!ヨルスケ☆ナイト』の幕開きだよ~~」
ヨルスケ「番町の青山主膳の家の台所……正月二日の昼の祝いの 済んだ後の膳具を始末している下女がひとり 名をお菊と言った……」
ヨルスケ「この若く美しい下女は冷酷な主人夫婦の折檻にあわないようにと おずおずと働いていた……」
クロード「…………俺はこんな事をしていていいのか?」
ノノイン「夏と言えば怖い話!! クロクロはぁ 怖い話ってへーき??」
クロード「……俺は警官だ 時には凄惨な現場にも遭遇する 怪談如きを怖がっていては仕事にならん――……」
ヨルスケ「――ガッシャーン!」
クロード「――!」
ヨルスケ「何と事もあろうに、お菊は主人が秘蔵の南京古渡の皿を!割ってしまった!!」
ノノイン「あれあれ?? クロクロ~~??」
ヨルスケ「――怒った主膳はお菊の手を引っ掴み、縁側にお菊の手を押し付けた!!そして!」
ヨルスケ「中指を切り落とした」
クロード「――!!」
ノノイン「おやおやおや~~??」
ヨルスケ「――――お菊は……家の裏の古井戸に身を投げた 哀れな女はそうして主膳の家から姿を消したが その年の五月」
ヨルスケ「奥方が産んだ男の子のその、右手には……なんと……中指がついていなかった」
ヨルスケ「奥方はお菊の事を思い出し 血が上った 呪いだと思った」
ヨルスケ「その夜からだ…… 古井戸付近で幾人もの下女がお菊の声を聞いた……」
ヨルスケ「さめざめとした声で…… 「一枚、二枚、三枚 四枚、五枚、六枚――……」
ヨルスケ「七枚、八枚、九枚……」
ヨルスケ「一枚足りなぁぁぁい……」
クロード「~~~~~~ッッ!!」
ヨルスケ「おや……クロード君、どうしたのかな? もしかして、怖い話は苦手だったり――……?」
クロード「そんな事はない ただ大きな声や演出に驚いただけだ 流石藝を極めるコードマン 拍手を贈らせてくれ」
ヨルスケ「ン~~?? 急に饒舌になられましたなァ?」
クロード「そんな事はない 気のせいだ」
ヨルスケ「じゃあもぉっとコワイ噺 してあげようか……? 平気だっていうんならさァ……」
クロード「『カッコイイお巡りさん』はこの程度で動揺などせん いくらでも続けるがいい」
ヨルスケ「そう? じゃあ遠慮無く――……」
ヨルスケ「浮浮浮浮……☆ さて、君は何処まで耐えられるかなぁ……?」
ヨルスケ「ああも素直に怖がってくれると役者冥利に尽きるってもんだ」
クロード「だから怖がってはいないと何度も言っているだろう……」
ヨルスケ「浮浮…… ランバーンの旦那も持っていない君の弱み 握れちゃったかな?」
クロード「……何故そこで奴の名が出るんだ」
ヨルスケ「浮浮浮浮…… まっ!俺の語りが凄かった、という事にしておこう☆」
クロード「……ハァ」
――――ざわざわ……
クロード「人が増えてきたな……」
ヨルスケ「『濡れちゃって~↑↑ まみれちゃって~↑↑ ののっちの泡アワ☆パーティータイム』……が間もなく開演するからね」
クロード「あわあわ……?」
ヨルスケ「バブルランとか聞いた事ないかい?」
クロード「いや……」
ヨルスケ「御覧よ あそこに、大砲みたいな装置見えるだろ?」
ヨルスケ「ののっちのライブ中 あそこから泡が噴射されるのさ 客に向かってね」
ヨルスケ「客は泡まみれになりながらライブを楽しむという訳だ」
クロード「…………………………………………」
ヨルスケ「…………………………………………」
クロード「……それで、何なんだ?」
ヨルスケ「説明はそれで終わりだけど?」
クロード「何……? 何故泡まみれになるんだ……?」
ヨルスケ「ノリだね」
クロード「……楽しいのか……?」
ヨルスケ「ノれれば」
クロード「…………まっっったく分からん」
ヨルスケ「こういうイベントこそ夏の浮ついた空気の最たるものだよね 君が理解できないのも無理はない」
ヨルスケ「でも、これを体験すれば 何故夏は皆浮足立つのか 開放的になるのか……解っちゃうかもね」
クロード「そう、だろうか……」
ノノイン「――――ノノラーのみんなぁっ!!」
ノノイン「ののっちのショータイム今から始まるよーーっ!!」
――――ウオォォォォッッ!!!
ノノイン「あなたのハートにぃ」
ノノイン&ノノラーのみんな「ラブ・イグニッショ~~ン!!」
ノノラーのみんな「フッフー!!」
ノノラーのみんな「フッフー!!」
ノノラーのみんな「フゥ~~~ッ フーーーーッ!!!!!」
クロード「……独特の世界だな 理解への道は程遠い気がするのだが」
ヨルスケ「そうやって一歩引いて見ているからじゃない? 自分も楽しむくらいの意気込みでないと理解できず仕舞いになるよ?」
クロード「む……………!」
ヨルスケ「ほら、ノノラーのみんなと同じ様に、合いの手とか入れてみたら?」
クロード「あ、合いの手……!?」
ノノラーのみんな「――――よっしゃ行くぞー!!」
ヨルスケ「クロード君も一緒に!」
クロード「……フッフー」
クロード「……フッフー」
クロード「……フー、フー」
ヨルスケ「……ねぇ、過激なファンに怒られても知らないよ?」
クロード「くっ……!ではお前はこの独特のノリについて行けるというのか?」
ヨルスケ「お手本見せろって?しょうがないねぇ……」
ノノラーのみんな「――――よっしゃ行くぞー!!」
ヨルスケ「浮ッ浮ーーッ☆」
ヨルスケ「浮ッ浮ーーッ☆」
ニルオン
ヨルスケ「浮ゥゥゥ~~~~ッ 浮ーーーーッ☆ ィヨッ、似音屋ぁっっ!!」
クロード「か、完璧だと……!?」
ヨルスケ「俺は役者だよ? 舐めないでもらいたいなァ」
ノノイン「それじゃお待ちかね…… あわあわターーイムっ♪♪」
ノノイン「スリー、トゥー、ワンっ!」
ノノイン「はっしゃ~~っ☆」
――――どっかーん
クロード「………………………………」
ノノイン「まだまだ~♪ みんなもっとまみれちゃってーー!!」
――――どっかーん
クロード「………………………………………………………………」 ※二行
ノノイン「もっと、もっともっと もっとだぁぁぁ~~!!」
――――どっかーん
クロード「……………………………………………………………………………………………………………………」 ※三行
ヨルスケ「――――堅物のクロードにはさっぱり分からぬ」
ヨルスケ「『何故ぢゃ?何故、泡にまみれる?これの何が楽しいと言ふのぢゃ?』……答えは皆目見当がつかん」
ヨルスケ「そうして 彼は考えるのを止めた――――……」
クロード「いやその 変なナレーションを止めろ」
ヨルスケ「ワオ、ノリ突っ込み? 堅物お巡りさんと巷で囃し立てられるあの君が ノリ突っ込み……!?」
ヨルスケ「クロード君の成長に大きな拍手をっ!!」
クロード「お前は誰に喋っているんだ」
ノノイン「ラストスパート♪」
ノノイン「ノりきれてないそこの君っ! ノンノンノーーン♪♪」
クロード「――――!!」
ノノイン「渚のハイカラ☆マーメイドこと ののっちが『夏』を教えてあげるっ♪」
――――どっかーん