ヨルスケ・ヨーライハ(3章3話)

※ここから「」付きセリフ

ヨルスケ「嗚呼 愛しのゼートレート……! どうしても僕の愛を受け入れてはくれないのかい……!?」

シャーロット「ダメ……、私は魔女……!そんな女と一緒にいては 貴方まで火あぶりにされてしまうわっ……!」

ヨルスケ「それでも構わない 君と灰になりたい……」

シャーロット「そこまで私のことを…… でしたら私もあなたの愛を受け入れ……」

※ここまで「」付きセリフ

シャーロット「……………………」

シャーロット「あー ちょっと止めてくれる?」


シャーロット「うーん……」

ヨルスケ「どうかしたかい?」

シャーロット「ヨルスケ相手だとなんかノらないんだよね~ 悪いけどさ」

シャーロット「この後 熱い抱擁からの口づけでしょ?」

ヨルスケ「お芝居だから、フリだけどね」

シャーロット「うーん…… やる気でないなぁ」

ヨルスケ「こんな世紀の二枚目が相手でも不足とは さすが探偵君~」

シャーロット「キミ うさんくさいとこあるしさ……」

ヨルスケ「なら、「男」役を変更しよう」

シャーロット「そうしてもらえるとありがたいよ」

竜胆「……!」

ドキッ……――

シャーロット「アイリ君 「男」役やってくれる?」

竜胆「ここは僕だろ!?」

シャーロット「え?だってキミには近づけないし」

竜胆「……ッッ!!!」

ガーン!!!

シャーロット「アイリ君、頼むよ」

アイリエッタ「私が男役…… できるでしょうか?」

シャーロット「セリフ決まってるんだし大丈夫じゃない?」

アイリエッタ「……分かりました やってみます」


※ここから「」付きセリフ

シャーロット「私も本当は…… 貴方のことを愛していたの……!」

アイリエッタ「その言葉、信じていいんだね」

シャーロット「もちろんよ」

アイリエッタ「信じられないな」

シャーロット「疑うのなら 偽りではない証に口づけを……」

※ここまで「」付きセリフ


パチパチパチ

ヨルスケ「よかったよ、ふたりとも 看護師君は棒読みだったけどそれはそれで味が出てたね」

シャーロット「うん なかなかいい感じだったよ アイリ君」

アイリエッタ「先ほど私は審査までいけなかったので これが挽回になれば嬉しいです」

竜胆&ヒナリア「…………いい…………」

ヨルスケ「浮浮浮……☆ それじゃあ最後は……」

竜胆「……!」


※ここから「」付きセリフ

ヨルスケ「嗚呼 愛しのゼートレート……! どうしても僕の愛を受け入れてはくれないのかい……!?」

※ここまで「」付きセリフ

竜胆「……こうなる流れだとは思っていたが……やっぱり僕がヒロインなのか」

竜胆「……コホン やるしかないッ……」

※ここからまた「」付きセリフ

竜胆「……だ、だめぇ…… わたしはまじょ……」

竜胆「ソンナオンナト……イッショニ……イテハ……」

※ここまで「」付きセリフ


ヨルスケ「……漫画家君 言語処理システムが故障でもしたのかな?」

竜胆「……ぐ、ぐぬぅ…… 女性のふりをするというのは存外恥ずかしい……!」

竜胆「ぼ、僕だけ配役を変えてくれないか?「男」の「親友」役もあるんだろ?」

ヨルスケ「「親友」は大事な役なんだ 悪いけど 君にはとてもとても……」

竜胆「じゃ、じゃあモブでいい!……村人とか!!」

【村人Bは自分だからダメ】

竜胆「なら村人Aでいいんだ……ッ!!」

    とにかく

ヨルスケ「兎に角 君にはゼートレート役をやってもらうよ」

竜胆「だ、だが……ろくに女性と喋ったこともないのに女役なんて……」

ヒナリア「オマエさー 自分が描いてる漫画には女も出てんだろ? それと同じ感覚で演技すればいいんじゃね」

竜胆「ハッ……!確かに……」

ヨルスケ「天才漫画家の君ならできるさ 苦苦苦苦……☆」

竜胆「う、うむ……」

シャーロット「がんばれ~、竜胆君」

アイリエッタ「応援しています」

竜胆「うっ……」

竜胆「ふ、フン……! まぁ、よかろう そこまで言われて固辞すれば 逆に空気読めないダサいやつになる……」

竜胆「……稀代の才能を持つこの僕が見せてやるさ……!」

竜胆「本当のゼートレートってやつをなぁ!!!」


※ここから「」付きセリフ

竜胆「私も本当は貴方のことを愛していたの!!」

ヨルスケ「その言葉 信じていいんだね?」

竜胆「もっちろんさ!」

竜胆「……何!?私の気持ちが信じられないって!? ならば……!!!」

竜胆「僕の渾身の接吻を……」

竜胆「くらえええええぇぇぇ!!」

ズガギュウゥゥゥンンン!!!

※ここまで「」付きセリフ


パチパチパチ

ヒナリア「お、おぉー…… 何が起こったか閃光でよく見えなかったけど……鬼気迫る演技だったぜ」

ヨルスケ「壊れちゃうかと思ったよ~ 浮浮浮……☆」

竜胆「フッ、僕が本気を出せばこんなものさ……!」

アイリエッタ「……これで全員終わりましたね」

ヨルスケ「あぁ、楽しかったよ」

アイリエッタ「では そろそろ茶番は終えて本題に入って頂けませんか?」

アイリエッタ「私は知らなければならない…… ……魔女――」

アイリエッタ「ゼートレートのことを」

ヨルスケ「……どちらにせよ まもなく閉幕の刻限さ」

【え……?】

シャーロット「……ん?誰か来た?」

???「……調査プログラム出身 探偵AIのコードマン シャーロット・シームズで間違いないですね?」

シャーロット「え?そうだけど……」

ザッザッザッザッザ

ヒナリア「な、なんだよオマエら……?」

???「アイリエッタ・ラッシュで間違いはないですか?」

アイリエッタ「そうですが」

???「……他にヒナリア・ダーケンド ユーキリ・竜胆」

???「ヨルスケ・ヨーライハもいますね」

ヨルスケ「………………………」

竜胆「な、何かあったのか……?」

???「コードマンが5体 ……うむ……情報通りだな」

???「はい 時刻、場所も完全に一致しています」

???「悪ふざけかと思いきや……」

???「これは一体……」

アイリエッタ「……?」

???「コードマンの皆様 ご同行頂けますか?」

シャーロット「ちょっと待ってくれ 何が起こってるのか説明してくれよ」

???「失礼致しました」

???「貴方たちには ある疑いが掛かっています」

シャーロット「疑い?」

竜胆「僕たちが何か……?」

???「その真偽を確認するために ご同行頂きたいのです」

ヒナリア「……話になんねぇな ヒナたち忙しいから後にしてくれる?」

???「いえ、あなたがたに拒否権はありません」

???「これは命令ですから」

ヒナリア「命令? 誰のだよ……!?」

???「サムラ・ビホルダー氏」

???「ビホルダー・グループ 現最高経営責任者の――」

シャーロット&アイリエッタ「……!!?」

ヒナリア「じゃ、ついでにオマエたちも何者なのか教えてくんね?」

???「申し遅れました 私はビホルダー氏の私設部隊 コードネームはBASS」

BASS「ビホルダー氏からご命令を受け コードマンの皆様をお連れしに参りました」

BASS「我々にご同行を」

竜胆「……え、えぇぇ……?」

ヨルスケ「………………怖怖怖怖 怖怖怖怖☆」


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