シャーロット・シームズ(1章3話)

  スタッフA:ええっ、支配人が……!?

  スタッフB:頭部から血を流して 亡くなっていたらしい……

  スタッフB:血の付いた照明が倒れてたから 恐らくそれが支配人の頭に当たって……

    ミーナ:……支配人さん

    ???:~♪

 プレイヤー:い、今の音は?

    ミーナ:今のはシャーロットさんの能力の一つですね

    ミーナ:ああして人体や証拠品をスキャンすることで

    ミーナ:死因や外傷の状態 指紋や体液の照合まで瞬時に可能なんだそうですよ

 シャーロット:ふふっ、なかなか わかりやすくていいだろ?

  スキャン音:~♪

 シャーロット:ボクはこの音声が気に入って設定してるけど、他にも……

  スキャン音:ごい~ん♪

 シャーロット:とか……

  スキャン音:アナタのハートにぃ~ ラブ・イグニッショ~ン♪

 シャーロット:とか 好きな音が設定できるよ~

 シャーロット:ちなみに無音でも全然問題ないんだけど 何でだかわざわざ設定できるようになっててさ~

 シャーロット:噂によると 古の通信機器についてた盗撮防止機能の名残だとかなんとか……

 プレイヤー:は、はぁ……

    ミーナ:……シャーロットさん そういうどうでもいい情報は後に……

 シャーロット:ああ、ごめんごめん こういうのって説明する機会がないからつい

 シャーロット:さて 肝心のスキャン結果だけど……

 シャーロット:彼の直接の死因は 頭部の損傷とその外傷による出血多量で間違いなさそうだね~

 シャーロット:とりあえず警備AIが到着するまでボクたちだけで簡単に状況を整理しようか

 シャーロット:ええと、キミが第一発見者?

 設営スタッフ:は、はい……

 設営スタッフ:私は照明やシステムまわりの担当なんですが

 設営スタッフ:最後の調整をしている途中 会場内のホログラム設定を解除したらもう支配人は……うぅっ

 シャーロット:その時 側には誰も居なかった?

 設営スタッフ:え、ええ…… もう殆どのスタッフが作業を終えて退出していたので

 設営スタッフ:ステージには支配人しかいなかったと思います

 設営スタッフ:暗幕ホロを表示していたので 正確にはわかりませんが……

 シャーロット:ふむ……

   ファビオ:兄さん!!!!

    ミーナ:あっ、ファビオさんです……

 シャーロット:…………

   ファビオ:うぅっ、兄さん どうしてこんなことに……

  スタッフA:かわいそうに

  スタッフB:仲のいい兄弟だったのにね……

 シャーロット:ふむふむ……なるほどなるほど

    ミーナ:ええと、シャーロットさん 床を這って何をされているんですか……?

 シャーロット:んー? 見ての通り現場を調べてるんだよ 大切な謎のカケラを見逃すわけにはいかないからね~

    ミーナ:な、なるほど……?

 シャーロット:さて、大体状況はわかったかな

 シャーロット:(プレイヤー)クン キミも念のために支配人の頭部の傷を確認しておいてくれるかい?

 プレイヤー:どれどれ……

 シャーロット:あ、こういうのに耐性がないとちょっとグロテスクだから気をつけて……

 シャーロット:って、遅かったか~

    ミーナ:(プレイヤー)さん だ、大丈夫ですか!?

 プレイヤー:だ、大丈夫……

 シャーロット:ごめん……話を続けるよ

 シャーロット:この頭部の傷口、よく見ると 2度打撃を受けた痕があるんだ

    ミーナ:言われて見れば、外傷が2ヵ所あるように見えますね

 シャーロット:これを見る限り 支配人は一度何か硬いもので頭部を殴打され

 シャーロット:そして傷口の上から何らかの方法で照明をぶつけたか ぶつけられた可能性が高い

   ファビオ:ということはまさか 兄さんは誰かに……?

   ファビオ:でも、兄さんは誰からも慕われてたし まさか殺されるなんてこと……

 シャーロット:(プレイヤー)クン キミは何か気付いたことがあるかい?

 プレイヤー:支配人の服装

 シャーロット:そうだね どうしてだか少し乱れているね

 シャーロット:なかなか良いところをつくじゃないか もしかしたらキミ、探偵に向いてるんじゃないかい?

 シャーロット:なんてね。 そういうわけで 大体事件の真相は見えたよ

 シャーロット:今回の謎のカケラは頭部の外傷の状態と支配人の服装

 シャーロット:そして…… 支配人のポケットに入っていた『コレ』でチェックメイトだ

 シャーロット:それじゃ答え合わせといこうか 助手クン


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  • 最終更新: 2020/06/10