アッシュ・クロード（２章２話）

コツ、コツ、コツ――

クロード

……いいか(プレイヤー名)

今から俺達が行く店は表向きはただの酒場だ

だが、ただの酒場がこんな地下にある訳もない

色々と、品が無い場所だ

気を付けて、行動してくれ

ギィィ……

クロード

………………

荒っぽい男の声

おい、酒だ！　酒！

さっさと持ってこいよ！

色っぽい女の声

ねぇねぇ、遊ばない？

一緒に楽しいことしようよ～

クロード

相変らず騒がしいな……

ここに来る客は３通りだ

ただ飲みに来て騒ぎたい連中

そいつらをカモにして小銭稼ぎをしたい連中

そして一番多い奴らの目的は――アレだ

調子のいい男の声

さぁさぁさぁ！

赤コーナーのプレイヤーはただいま連勝中だぜ！

ただここまで連勝が続くとデッキもバレてきてる

次こそ負けそうだが……さぁ、どっちに賭ける？

熱狂している客

赤だ！　次も赤が勝つ！

別の熱狂している客

そろそろ負けるだろ！　俺は青にドカンと行くぜ！

クロード

――賭けゼノンザード　勿論非公式なギャンブルだ

リアルカードで行うゼノンザードで客は勝つと思うプレイヤーにベットする

単純だがそこが受けているんだろう

これが行われる日は一晩で相当な金額が動く

それらは全てテロ組織『再生の牙』の活動資金になっている

クロード

このご時世に大量の武器と人を揃えて破壊活動なんて安くできることじゃないからな

奴らはこういった資金源を幾つも持っているんだ　その内のひとつがこの店だ

きな臭い店にはきな臭い連中が集まってくる

俺の目当ての男もここに現れるはずだ

まずは情報を集めよう　手分けして聞き込みだ

(プレイヤー名)は店員や常連の客から不審な人物を見なかったか……

？？？

――似合わねぇ声が聞こえるな

クロード

ッ！？

ランバーン

珍しい場所で会うな、クロード

クロード

ランバーン……何故お前がここに？

ランバーン

おいおい、驚いたな

しばらく会わないうちに冗談を覚えたのか？

俺みたいな悪党がここにいて、何かおかしいか？

お前がいる事の方がどう見たって不自然だぜ

クロード

…………

ランバーン

何しに来たんだ

お前が好きな正義も法律もこの店には存在しねぇが？

クロード

……貴様に説明する義理は無い

ランバーン

義理ならあると思うがね

まぁいい　だいたいの察しはつく

お前はお前のやり方で精々頑張りな　ウスノロの亀みたいによ

じゃあな

クロード

何故、アイツが……

クロード

ランバーン・タイダル

『犯罪者』のコードマンだ

バトルでも何度か当たっただろう？

クロード

…………

……まぁ、な

ヤツの事は気にするな

何を企んでいるのかは知らんが俺達のすべき事には無関係だ

二手に分かれて情報を集めよう

頼んだぞ

ランバーン

……あのバカも俺と同じ『探し物』か？

……使えるかもな

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