キィラン・カッチラム(3章5.5話)

キィラン「……っと、ここだ ランバーンはまだ来てないみたいだね」

キィラン「ここも隠れ家のひとつだって言ってたけど……」

キィラン「あれ? なんだろう?」

【SNSの通知だ】

キィラン「ホントだ、ののっちが新しい記事を投稿したんだね 見てみようよ」

ノノイン「『やっほ〜☆ののっちだよ!』」

ノノイン「『みんな、このあいだはライブに来てくれてありがとう!』」

ノノイン「『みんなの声援が聞こえてののっち、ステージの上でとっても感激したよぉ〜っ!』」

ノノイン「『涙を見せちゃうなんてアクシデントもあったけど……』」

ノノイン「『素体の不具合とかじゃなかったみたいです 心配かけてごめんね』」

ノノイン「『それにしても……素体の不良じゃなかったらどうして涙なんて出たんだろ!?』」

ノノイン「『みんなの応援が起こした奇跡かな!?なんてねっ☆』」

ノノイン「『次のライブも絶対応援に来てね〜♪ ではではっ☆』」

【元気そうでよかった】

キィラン「でも……まだ『危険分子消去計画』を潰せたわけじゃない」

キィラン「ランバーンも私たちにぜんぶ話してくれてはないみたいだし……」

キィラン「……」

【どうしたの?】

キィラン「……ちょっとね」

キィラン「このあいだ 『NULL』と闘ったとき……どういうしくみかよくわからないんだけど」

キィラン「素体の奥のほうから 怖いくらいの力が湧いてきたんだよね」

【そのわりには浮かない顔】

キィラン「うん……なんていうか混乱してるのかも」

ランバーン「待たせたな」

キィラン「ランバーン!」

キィラン「どうしたの?「話がある」って……」

ランバーン「焦るなよ まずはこれを見てからだ ほらよ」

キィラン「これって……」

ランバーン「こないだマックスに渡した記録媒体の解析結果だ」

キィラン「どうしたの、これ!?」

ランバーン「呆れたな データのコピーくらい思いつかなかったのか?」

ランバーン「とは言っても 記録媒体の方は古いわ データは破損してるわ ビホルダーが絡んでる怪しげな情報だわ……」

ランバーン「裏のツテじゃねぇと解析は難しかっただろうがな」

キィラン「そうだろうね……ありがとう、恩にきるよ」

【それで、話って?】

ランバーン「ああ データのここを見てくれ」

キィラン「どれどれ……」

【「ゼートレート」……?】

キィラン「「ゼートレート」?」

キィラン「なんだろう プログラムの名前とか……人の名前とか、地名とか?」

キィラン「(プレイヤー名)知ってる?」

選択肢 【知ってる】/【知らない】


→【知ってる】

キィラン「へぇ、そうなの?「ゼートレート」ってなに?」

キィラン「……なんてね、ふふっ 心拍数の上昇 瞳孔の開き……嘘ついてもダメだよ」


→【知らない】

キィラン「そっか 君も知らないんだ?」


キィラン「OK じゃあ検索してみよう」

キィラン「…………」

キィラン「……うーん? それらしい検索結果は見当たらないな……」

ランバーン「……やっぱりお前らも知らないか」

【お前ら『も』?】

ランバーン「わからないのは「ゼートレート」って単語の意味だけじゃないぞ」

キィラン「どういうこと?」

ランバーン「…………」

ランバーン「……俺は、長いことビホルダー連中のある企みを追っている」

キィラン「企みって……『危険分子消去計画』のこと?」

ランバーン「いや、それとは別物だ 火種には困らねぇんだよ ビホルダーまわりは……」

ランバーン「とにかく俺は、マックスからその企みの情報を引き出すために「リスト」を取引材料にしようとした」

キィラン「それがこの記録媒体に入ってたリスト……?」

ランバーン「そうだ まあ、あの感じだとマックスもたいした情報を流しはしなかっただろうがな……」

ランバーン「それはそれとして、だ 俺が今まで集めたビホルダーまわりの情報の中に……」

ランバーン「ひとつだけどうやっても意味のわからないものがある」

【それが「ゼートレート」?】

ランバーン「ご明察 かなりの重要機密として扱われてるらしくてな」

ランバーン「どんなアプローチで知ろうとしても 人名なのかプログラム名なのか暗号なのか……」

ランバーン「これといった手がかりが見つからない」

ランバーン「ひとまず 俺の追ってる企みと直接計画はなさそうなんだが……」

キィラン「それなのに、君は「ゼートレート」っていう単語の意味を探しつづけてるの?」

ランバーン「……なにが俺の追ってる企みを阻止するための切り札になるか わからないからな」

キィラン「だったら……ランバーン 少しのあいだでいいから私たちに協力して」

ランバーン「は?」

キィラン「マックスみたいな人が関係を絶とうとするくらいに『危険分子消去計画』ってヤバいものなんでしょ?」

キィラン「「ゼートレート」がなんなのかはわからないけど……」

キィラン「『消去計画』を追っていれば ビホルダーグループにとって都合の悪い事実が今以上に出てくるかもしれないよ」

ランバーン「…………」

キィラン「お願い、ランバーン」

キィラン「私はこの先どんなことがあっても……」

キィラン「…………」


(ザナクロンの回想)


キィラン「私と(プレイヤー名)の『魂』の力できっと打ち勝ってみせるから」


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