シャーロット・シームズ(2章1話)

  シャーロット:ロッティ 今届いている依頼を報告して

プティ・ロッティ:ピピッ

プティ・ロッティ:シャーロット・シームズ ヘノ 現在ノ依頼数、27,030件

プティ・ロッティ:プログラムニヨル事前調査ノ結果 依頼ノ90%以上ガ依頼ランク3

プティ・ロッティ:身元調査、人捜シ、ペット捜索 嫌ガラセ調査、浮気調査等 全テノ依頼ガ オンライン対応可能ト推測サレマス

  シャーロット:オーケー じゃあ最速で表示して一気に片付けてしまおう

プティ・ロッティ:ピピッ データヲ展開シマス 表示スピードMAX

  シャーロット:…………

プティ・ロッティ:――5,000件、処理完了

プティ・ロッティ:――10,000件、処理完了

プティ・ロッティ:――25,315件、処理完了

プティ・ロッティ:ピピッ プログラムニヨル処理ハ コレデ終了トナリマス

プティ・ロッティ:続イテ、依頼ランク1、2 窃盗ヤ詐欺、殺人事件等ノ個別推理ガ必要ナ案件1,715件ヲ展開シマス

  シャーロット:……うん 今日こそは手応えのある謎があればいいけど……

  シャーロット:…………

プティ・ロッティ:――1,715件、処理完了

プティ・ロッティ:コレデ 全テノ処理ガ終了シマシタ

  シャーロット:……えっ、もう!?

プティ・ロッティ:本日ノ業務ハ、全テ終了デス オ疲レサマデシタ♪

プティ・ロッティ:流石ハ世界ノ名探偵 シャーロット・シームズ ヨッ 世界イチ~♪

  シャーロット:えぇぇ~……

     ミーナ:凄いです、シャーロットさん あの大量の依頼を、一瞬で処理してしまうなんて……

  シャーロット:そうは言うけど ちょっと手応えなさ過ぎて素直に喜べないんだよね……


   プレイヤー:<選択肢>

       A:でも本当に凄いと思う

 シャーロット:褒めてくれるのは素直に嬉しいんだけどさ

 シャーロット:どうせならもっとかっこよく難事件を解決して『凄い』って言われたかったな~

       B:自慢の相棒だよ!

 シャーロット:う~ん…… キミの前だから尚更、格好つけたかったんだけどなぁ……


  シャーロット:結局データと時間さえあればどんな事件でも解決できてしまうんだ……

  シャーロット:殆どの案件はロッティのプログラムで一瞬だし

  シャーロット:ボクの推理能力が必要な案件も最近手応えのある依頼がなくて正直退屈でたまらないんだよね~……

  プレイヤー:ロッティ?

  シャーロット:ああ、そういえばまだ紹介してなかったね

  シャーロット:主にボクのサポートを担当しているAI『プティ・ロッティ』だよ

  シャーロット:大量に届く依頼を迅速に処理するために ボクの能力を一部トレースして作った独自のプログラムなんだ

プティ・ロッティ:ハジメマシテ ボクハ『プティ・ロッティ』

プティ・ロッティ:シャーロットノ助手トシテハボクノ方ガ先輩ダ

プティ・ロッティ:分カラナイコトガアレバ何デモボクニ聞キタマエ

  プレイヤー:お、オ願イシマス……!

  シャーロット:はぁ……ロッティもボクの能力も優秀すぎて……

  シャーロット:この程度の以来じゃ正直やることがな~~い!!

     ミーナ:シャーロットさん……

プティ・ロッティ:ピピッ 新シイ依頼ガ一件届イテイマス 展開シマスカ?

  シャーロット:ん……詳細をだして

プティ・ロッティ:内容ハ、ペットノ捜索 依頼ランク3

プティ・ロッティ:二日前、散歩中ニ消エタ ロボット愛玩犬『サンゴちゃん』ヲ探シテ欲シイトノ依頼デス

  シャーロット:ランク3か……

  シャーロット:……ねぇ、ちょっとこの依頼 キミがやってみないかい?

  プレイヤー:え……?

  シャーロット:ボクたちがバディになってからキミには助手として色々と手伝って貰ってたけど

  シャーロット:仕事そのものを任せたことはなかったろう?

  シャーロット:ランク3ならそこまで手のかかる依頼でもないし腕試しには丁度良いかも

  プレイヤー:じゃあ……やってみようかな

  シャーロット:オーケー

  シャーロット:ロッティ (プレイヤー)クンの端末に、今の依頼データを転送して

プティ・ロッティ:ピピッ 了解シマシタ 転送ヲ開始シマス

プティ・ロッティ:送信完了 シッカリ受ケトリタマエ後輩

  シャーロット:すぐに答えを出せというのも難しいだろうから 少し時間をあげるよ

  シャーロット:サンゴちゃんの居場所が特定でき次第 いつでも報告してくれ

     ミーナ:(プレイヤー)さんの初仕事、私も楽しみです 頑張ってくださいね

        ※時間経過

  シャーロット:さて そろそろ答えは出たかい?

  プレイヤー:出たけど、自信ない……

  シャーロット:失敗したって構わない まずは自分なりの結論をボクに聞かせてくれたまえ

  シャーロット:さぁ、キミの推理ではサンゴちゃんは今何処に?

  プレイヤー:以前住んでいた家……かも?

  シャーロット:ふむ……ロッティ

プティ・ロッティ:ピピッ 情報ヲ再スキャン

プティ・ロッティ:約一ヵ月前『サンゴちゃん』ト依頼主ガ以前居住シテイタ住所ヲ特定

プティ・ロッティ:現地ノ防犯システムトリンク カメラノ映像ヲ表示シマス

プティ・ロッティ:ピピッ 庭ノ隅ニ『サンゴちゃん』発見 登録情報トモ完全一致 脈拍、体温機能、共ニ正常

  シャーロット:お、本当にいた

  シャーロット:なるほど……これは依頼主が引っ越した際に住居データ更新を忘れて 以前の住所に戻っちゃったってところかな

  シャーロット:ロッティ、すぐに保護させて

プティ・ロッティ:了解 最寄ヲ巡回中ノコードマンニ保護ヲ申請シマシタ 映像ヲ繋ギマス

  シャーロット:巡回中のコードマン……?

    クロード:おい……

  シャーロット:やぁ クロード君じゃないか

    クロード:……またお前か

  シャーロット:えっと、確か数日ぶり~? なんかボクたち最近ほんと良く会うよね~

  シャーロット:仕事がら遭遇率が高いとはいえ なんか運命感じちゃうなぁ

    クロード:……俺は全く感じない それより要請通り保護したこの愛玩犬の届け先を教えてくれ

  シャーロット:愛玩犬じゃなくてサンゴちゃんだよ~

    クロード:さ、サンゴちゃん……?

  サンゴちゃん:わぅわぅ~ん♪

    クロード:あっ、何をする ペロペロするな!!

  シャーロット:おおっ、クロード君 随分気に入られちゃってるね~

  サンゴちゃん:ペロペロペロペロ!!

    クロード:……くっ やめろと言ってるだろう

  サンゴちゃん:わふ~ん♪

    クロード:ぬわっ!!

    クロード:やめろ、おい、頼むから

  サンゴちゃん:ペロペロペロペロ!! ペロペロペロペロ!!

  シャーロット:あ、ちなみにサンゴちゃんは高級ロボット愛玩犬だから丁重に扱っておくれよ

  シャーロット:傷とかつけたら弁償しないといけなくなっちゃう

    クロード:シャーロット

    クロード:そんな情報はいい…… 早く住所データを!!

  シャーロット:あ、そうだった 転送するね~

  シャーロット:それじゃよろしく頼むよ そこからだとそんなに遠くないからさ~

    クロード:……了解した 行こうサンゴちゃん

  サンゴちゃん:わぅ~ん♪

  シャーロット:あ、今度お礼はするからね~

    クロード:結構だ……

  シャーロット:サンゴちゃんは無事保護されたようだ お手柄だよ(プレイヤー)クン

     ミーナ:やりましたね 初めてなのに凄いです

  シャーロット:……ところで どうしてサンゴちゃんが以前住んでいた家に居るってわかったんだい?

  プレイヤー:どうしてって……

  シャーロット:ボクは探偵としての能力であらゆるデータから答えを導き出すことができる

  シャーロット:だがキミには状況データしか無かったはずだ

  プレイヤー:ただの勘だよ

  シャーロット:勘……?

  シャーロット:そういえば人間は『第六感』とか『火事場の馬鹿力』とか不思議な力を使うことがあるっていうよね

  シャーロット:ふむ……やっぱり人間ってボクたちじゃ理解できない特別な力を持ってるのかな

  シャーロット:でも、なんかそういうのって納得できない……

  シャーロット:じー……

  シャーロット:じろじろじろ……

     ミーナ:シャーロットさん……? 一体何を……

  シャーロット:(プレイヤー)クンを調べてるんだよ

  シャーロット:隅々まで観察すれば何かわかるかもしれない

  プレイヤー:え、ええと……?

  シャーロット:ううむ……わからない

  シャーロット:どんな難しい依頼よりキミの方がボクにとって難解かもしれないな……

  シャーロット そうだ…… これは前に聞いたアレを試す時かもしれない……

  シャーロット:(プレイヤー)クン

  プレイヤー:は、はい!

  シャーロット:……準備したまえ 今すぐ出掛けよう

  シャーロット:人間とコードマンの違いを知るために

  シャーロット:これからキミを徹底的に調査する


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  • 最終更新: 2020/06/10