シャーロット・シームズ(2章3話)
シャーロット:……あった この店に飾ってある本だよ
プレイヤー:綺麗な表紙だね、絵本……?
シャーロット:…………
プレイヤー:シャーロット……?
シャーロット:ああ、ごめん
シャーロット:自分でもよく分からないけど この表紙を目にした瞬間 すごく気になって……
シャーロット:でもごめん ボクがどうかしてた
シャーロット:これはどう見ても ただの子供向けの絵本だ
シャーロット:もう行こう……それで早くロッティのプランに戻っ――
プレイヤー:少し待ってて
シャーロット:えっ……?
※店から出てくる
シャーロット:これは……?
プレイヤー:シャーロットにプレゼント
シャーロット:えっ、ボクに……?
プレイヤー:楽しかったからそのお礼
シャーロット:……っ!
シャーロット:嬉しい…… 依頼の報酬なら何度も受け取ったことがあるけど
シャーロット:こういう形で贈り物を貰うのは初めてだよ
シャーロット:ありがとう ずっと大切にする!
※時間経過
シャーロット:なるほど……こういう話なのか
プレイヤー:どんな内容?
シャーロット:悲しい少女の話だよ 美しい絵とは対照的にね
シャーロット:折角だから 少し読んであげようか
シャーロット:『――その昔 貧しい村の片隅に 静かに身を寄せて暮らす 仲の良い師弟がおりました』
シャーロット:『弟子はまだ十四歳の少女で師も若々しい容貌だったので 端からみればまるで 二人は姉妹のようでした』
シャーロット:『師弟は薬草を摘み 調合した薬を 村人に分け与えながら 慎ましく暮らし』
シャーロット:『村人たちもそんな二人にとても感謝していました』
シャーロット:『師弟は、実は『魔女』でした でも二人はそのことを村人たちには隠していました』
シャーロット:『その時代……魔女はその善悪に関わらず迫害の対象だったからです』
シャーロット:『ある日 森の中を弟子が歩いていると 怪我で血を流し倒れている 旅人を見つけました』
シャーロット:『弟子は、死ぬこともできず 苦しむ旅人の姿に心を痛め』
シャーロット:『師からは決して人前で 使ってはいけないと 言われていた禁断の魔法を 使ってしまいます』
シャーロット:『師は弟子を 決して責めませんでした むしろ良い行いをしたことを 誇るようにと言いました』
シャーロット:『しかし弟子が眠った後 タロットカードを一枚 捲った師は何かを悟ります』
シャーロット:『後日……魔女の疑いがあると、師は捕らえられてしまいました』
シャーロット:『助けた旅人が「あいつは魔女だ!」と、密告したからです』
シャーロット:『師は教会で言葉にできない程 酷い拷問を受けました』
シャーロット:『死んでしまった方がマシだと思うくらい辛い数々の拷問に耐えながら』
シャーロット:『それでも師は「魔女は自分だけで この子は関係ありません」と、弟子を庇いました』
シャーロット:『そして師は魔女として 火あぶりの刑にかけられる事になったのです』
シャーロット:『処刑当日 後ろ手に拘束され 処刑台の上に立つ師に 村人たちは石を投げつけ』
シャーロット:『「魔女め!」「俺たちを騙しやがって!」と罵詈雑言を浴びせました』
シャーロット:『弟子は、かつて自分たちに優しかった村人たちを想い とても悲しくなりました』
シャーロット:『それでも師は 穏やかに微笑んでいました』
シャーロット:『そして微笑んだまま 炎に巻かれ……焼け死んでしまいました』
シャーロット:『遺体の側に落ちている タロットカードを拾いながら 弟子は師匠の最後の言葉を思い出しました』
シャーロット:『「決して恨んでなんていないわ……だから貴女も囚われないで」』
シャーロット:『でも弟子は、師を殺した全ての人達を恨まずにはいられませんでした』
シャーロット:『そして呪いの言葉を残し 弟子は村から去ったのです』
シャーロット:……
プレイヤー:悲しいね……
シャーロット:うん……子供向けの絵本にしては なかなか内容がハードだ
シャーロット:それに この挿絵に描かれているカードの絵は……
プレイヤー:?
シャーロット:いや……そろそろ行こうか
シャーロット:早く行かないとせっかくロッティが探してくれたお店が閉まっちゃう
※時間経過
プレイヤー:そういえば……
シャーロット:ん?
プレイヤー:人間との違いって何か掴めた?
シャーロット:……どうかな
- story/charlotte-s2-3.txt
- 最終更新: 2020/06/10
コメント