キィラン・カッチラム(1章5話)

キィラン「───圧倒的だった」

キィラン「手も足も出なかった」

キィラン「『敗北』─── 私の脳裏には初手の一撃でその2文字が浮かんでいた」

キィラン「敗けることは恥ずかしいことじゃない 武闘家として避けては通れない道だ」

キィラン「だけど……」


キィラン「あの『敗北』は、違った」

キィラン「アイツには 勝利への渇望も敗北への恐怖もない……」

キィラン「『魂』が、ない───」

キィラン「あれが『ザ・ゼノン』のランキング第1位…… あれが、この世界の『最強』」

キィラン「……バトルの前から勝敗が決まってるなら 勝負をする意味って何?」

キィラン「トレーニングを重ねて努力しても 結局強者には敵わないの? ……とか 色々考えちゃって……」

キィラン「だから私は 計算できる強さじゃなくて『魂』の強さが本当の強さだと……」

キィラン「アイツに勝って証明したいんだ」

【……そもそも、『魂』って何?】

キィラン「えっ? 『魂』っていうのは ほら……人間なら分かるでしょ?」

キィラン「精神力っていうか やってやるぞー!おーっ!!……っていう……」

選択肢 【分からない】/【なんとなく分かるけど……】 


→【分からない】 

キィラン「分からない……? 君は人間なのに……?」


→【なんとなく分かるけど……】 

キィラン「なんとなく、じゃなくて…… はっきり分かるものじゃないの?……君は人間なんだから」


キィラン「……驚いたな 『魂』って人間ならみんな理解してるものだとばかり……」

ノノイン「キィラン〜!何してるの? 決勝戦始まるよ〜?」

キィラン「う、うん……! すぐ行くよ」

ノノイン「……気を付けてね」

キィラン「え?」

ノノイン「決勝戦…… ……いつもとちょっと違う趣向でやるみたいなの」

キィラン「いつもと、違う……?」


司会者「決勝戦!! キィラン&(プレイヤー名)に対峙しますのはビホルダーグループの最新対戦特化型AI……」

司会者「『NULL』───!!」

キィラン「……あっ……!?」

キィラン「こいつ……」

【どうかした?】

キィラン「───似てる」

キィラン「(ストライオに……)」


キィラン「あ……あああぁ……」


キィラン「……………………」

選択肢 【怖い?】/【顔色が悪い】


→【怖い?】 

キィラン「……怖くないって言ったらウソになるよ……」


→【顔色が悪い】 

キィラン「……思い出すんだ あの時のことを……」


キィラン「あの時、私は……」

キィラン「アイツに…………!!」


キィラン「ぐあああぁぁぁぁっ!!」


キィラン「……勝てない」

キィラン「こいつは ストライオじゃないけど……」

NULL「…………………………」

キィラン「……ごめん (プレイヤー名)…… 私は、やっぱり……」

【やってみなきゃ分からない】

キィラン「分かるんだよ……!」

キィラン「私には、あらゆる勝負の『結果』が分かる!膨大なデータを集積することで勝敗を算出できるんだ……!」

キィラン「そのデータから考えると、こいつには絶対に勝てない ……勝てないんだっ……!」

【でも、勝ちたい】

キィラン「…………え?」

選択肢 【なんとかする】/【火事場の馬鹿力だ】


→(どちらを選択しても) 

キィラン「君…… それって…………」


【絶対、勝ちたい!】

キィラン「それが……」

司会者「───バトル、開始!!!」


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  • 最終更新: 2020/07/12