ヨルスケ・ヨーライハ(プロローグ)

ミーナ 「え?  雪……?」

??? 「この世の名残、夜も名残  死に行く道をたとえれば……」

ミーナ 「……ヨルスケさん?」

ヨルスケ 「あだしが原の道の霜  ひと足ずつに消えてゆく」

ミーナ 「あのー……」

ヨルスケ 「夢の夢こそ、あはれなれ  浮浮浮……☆」

ヨルスケ 「ご清聴  有難うございまする~」

ミーナ 「ちょ、ちょっと……!」

選択肢【……何?】/【……誰?】

→【……何?】 ミーナ 「あ、今の方がコードマン なんですが……」

→【……誰?】 ミーナ「今の方が、コードマンです 消えちゃいましたけど……」

ミーナ 「お、驚きましたか?  少し風変わりな方のようですね」

ミーナ 「コードマンはAIの中でも 卓越した能力を持っていて  その反面 個性的な方も多いんです」

ミーナ 「だから、ヨルスケさんが 特別ってわけじゃ……」

ヨルスケ 「君がコンコードかい?」

ミーナ 「ヨルスケさん!?」

ヨルスケ 「よろしく~  俺の名前はヨルスケ」

ヨルスケ 「さぁさぁ、契約に進もうか  準備はいいかな?」

ミーナ 「待ってください!  契約の前には 説明しなくちゃいけない ことが……」

ヨルスケ 「そうなの?  じゃ、よろしく」

ミーナ 「は、はい……」

ミーナ 「ヨルスケ・ヨーライハさん  エンタメ系プログラム出身の AIです」

ミーナ 「役者や声優、コメディアン  狂言、手品、曲芸……  様々な分野で活躍されています」

ミーナ 「中でも、ヨルスケさんの カブキは人気が高いんですよ」

ミーナ 「あとは……」

ヨルスケ 「俺の好きな花言葉は?」

ミーナ 「えっ?  少々お待ちください  データを検索してみます」

ミーナ 「…………………………」

ミーナ 「特に、該当する情報は ないようですが……」

ヨルスケ 「そりゃそうだよ~  好きな花言葉なんて 『無い』からね」

ミーナ 「は、はぁ……?」

ヨルスケ 「答えは『無』  『存在しない』が正解」

ミーナ 「な、なんだか  ひっかけ問題みたいですね」

ヨルスケ 「『無し』だって 立派な解答だろ?  苦苦苦……☆」

ミーナ 「そうかもしれませんが……」

ミーナ 「……せ、説明を続けますね  次は ゼノンザードにおける おふたりの相性確認です」

ミーナ 「ということで  今から一緒に模擬戦を 行おうと思うのですが  ひとつ確認事項があります」

ミーナ 「あなたはゼノンザードの ルールに関して  どれくらいご存知ですか?」

ミーナ 「もし私の補足説明などが 必要ないのなら  すぐにプレイして頂いても 構わないのですが……」

ミーナ 「私からの説明は必要ですか?」 選択肢【お願い】/【要らない】/【バトルをスキップする】


※模擬戦


ミーナ 「これで模擬戦は終了です  お疲れ様でした!」

ミーナ 「以上で 説明は全て終了となります  後はおふたりのお気持ちだけ」

ミーナ 「これから先  長い時間を共にする 大切な相棒を選ぶわけです  後悔の無い選択を」

ヨルスケ 「どうだい?  俺の舞台で踊ってみるかい?」

【ヨルスケと【契約】する】

ヨルスケ 「いい心意気だねぇ!」


ミーナ 「契約と同時に、ザ・ゼノンへの エントリーも完了しました  こちらの大会での優勝  そして――」

ミーナ 「コードマンを、より完璧な 存在に高めると言われる アクロコードの獲得を 目指して 是非がんばって下さい」

ヨルスケ 「あ、ミーナちゃん  ひとつ説明を 忘れてるんじゃない?」

ミーナ 「いえ……?  契約前に必要なことは 全てお話しましたよ」

ヨルスケ 「一番大切なことだよ~」

ヨルスケ 「俺たちAIには 人間によって課されている リミッターがあるでしょ?」

ミーナ 「あぁ!  AIの遵守すべき3原則 のことですね  一応、説明しておきましょうか」

ミーナ 「ひとつは、人間に対する 安全保障の義務です  私たちAIは原則 人間に危害を加えることは できません」

ミーナ 「故意に人を害することが できないよう プログラミングの段階で 制約が課されているんです」

ミーナ 「国防・軍事系に従事するAIは 特例で許可を与えられている 場合もありますが……」

ミーナ 「そういった特殊な職務に就く AIでも  平時はリミッターが 掛けられています」

ミーナ 「日常生活で AIの殺人事件などは 聞いたことないでしょう?」

ミーナ 「それは起こり得ないし  今後も絶対に 無いことなんですよ」

ミーナ 「ふたつめは……」

ヨルスケ 「『危険な楽しみ』」

ミーナ 「はい?」

ヨルスケ 「俺の好きな花言葉さ」

ミーナ 「……え?さっきは無いと……」

ヨルスケ 「誰にも言ったことがないから 君のデータバンクを 検索しても 出て来ないんだろうね」

ヨルスケ 「だけど俺の中では 確実に『存在している』」

ヨルスケ 「俺が『無い』と言っても それは確かに 『有った』んだよ」

ヨルスケ 「言の葉に乗せられた 偽りの『無い』と 真実の『無い』  その違いを 見極めるのは難しいよねぇ」

ヨルスケ 「果たして 『無い』ことに『絶対』なんて あり得るのかなぁ?」

ミーナ 「え…………」

ヨルスケ 「……なんてね  破破破破……!」

ミーナ 「…………………………」

ミーナ 「ヨルスケさんは…… コードマンの中でも ちょっと……いえ  かなり変わってるかも しれませんね……」


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  • 最終更新: 2021/02/18