ヨルスケ・ヨーライハ(2章2話)

ざわざわ……

ヨルスケ 「来てくれたんだね  (プレイヤー名)  君のご期待添えるような舞台にしてみせるよ」

ヨルスケ 「俺は準備があるから楽屋へ戻るけど 君には特別席を用意しておいたよ  開演まで、暫しお待ちを」


ヨルスケファンの女性 「ヨルスケのノウガクが観られるなんて、夢みたい……」

ヨルスケファンの男性 「チケットの倍率すごかったらしいな  違法オークションでかなりの高値がついたとか……」

ヨルスケファンの老人 「これでいつ死んでも悔いはないのじゃ……」

竜胆 「……ふむ……ヨルスケのノウガクとは  かくも人気なのか……」

竜胆 「……む、そこの君  ヨルスケのコンコードだろう?  少し話を聞かせてもらいたいんだが」

選択肢【自分でよければ】/【……言えないこともある】

→【自分でよければ】 竜胆「感謝する!」

→【……言えないこともある】 竜胆「む?どういうことだ?」

竜胆「もちろん プライバシーに関することは聞かんぞ」

竜胆 「僕の名はユーキリ・竜胆  漫画制作プログラム出身  稀代の天才漫画家である」

竜胆 「今日はヨルスケの偵察に来たのだ」

【偵察?】

竜胆 「今までチケットが採れずヨルスケの舞台を観る機会がなくてな  こうも人気を博する理由を探ることができなかったのだ」

竜胆 「――フッ  だが今回幸運の女神は僕に微笑んだ……」

竜胆 「今こそ好機!同じエンタメに関わるものとして  ヨルスケが大衆に支持される理由を徹底的に分析せねばならん……!」

竜胆 「……ということでコンコードの君からみたヨルスケの舞台の魅力とはなんだ?」

【今日初めて舞台を観る】

竜胆 「な、なんだ……と……  コンコードだと言うに……」

竜胆 「ぬぬ……最初の一歩から暗礁に乗り上げてしまった……  ……案外難しいんだな、偵察って」

【ノウガクと能楽は違うの?】

竜胆 「そ、そこからだとッ!?  ノウガクのことも知らないで観劇に来ていたとは……」

竜胆 「ノウガクは古典芸能である能楽をヨルスケが発展させた全く新しいエンタメだッ!」

竜胆 「……まぁ  百聞は一見に如かずという  自分の目で観てみるがいい」

竜胆 「いざ、さらば――」

ブンキチ 「ヨルスケさんの魅力なんて技術の高さ……それしかないですよね」

ブンキチ 「でも、それは当然ですよ AIですから人間が一生懸けて得られる技術を一瞬でインプットできるんです」

ブンキチ 「何十人という人間国宝の経験と知識を集めたような存在ですから  人気が出て、当然なんです」

ブンキチ 「……あぁ、突然すみません  おふたりの話が耳に入ってしまって……」

ブンキチ 「ご無沙汰してます  (プレイヤー名)さん」

選択肢【元気だった?】/【何してるの?】

→【元気だった?】 ブンキチ 「えぇ、おかげさまで」

ブンキチ 「(プレイヤー名)さんもお元気そうで何よりです  自分と同じくヨルスケさんに招待されてノウガクを観に来たんですよね」

→【何してるの?】 ブンキチ「今日はヨルスケさんに招待されて ノウガクを観に来たんですよ (プレイヤー名)さんもそうですよね」

会場アナウンス 「ご来場の皆様 通信機器の電源をお切りくださいますようご協力をお願いします  間もなく、開演――」

ブンキチ 「そろそろ席に着いた方がよさそうですね……あ  (プレイヤー名)さんの座席、自分の隣ですよ」

ブンキチ 「……よかった  ひとりでヨルスケさんの舞台を観るの……少し……」

ブンキチ 「……怖くて……」

【怖い?】

ブンキチ 「……はい  今日……舞台に招待されたのって……  何か意図があるような気がして……」

ブンキチ 「自分の思い過ごしかもしれないし来なければよかったのかもしれない……」

ブンキチ 「けど、断ることも怖くて……」

ブンキチ 「……自分  ヨルスケさんにとってもはや邪魔な存在でしかありませんから……」

ブンキチ 「(プレイヤー名)さん  あの時……自分とヨルスケさんの会話  聞いてましたよね……?」

ブンキチ 「ヨルスケさんが……  ………………師匠を……………」

選択肢【うなづく】/【沈黙する】

→【うなづく】 ブンキチ 「……やっぱり」

→【沈黙する】 ブンキチ「ごまかさなくても大丈夫です 分かってますから」

ブンキチ 「……自分  この舞台が終わったらヨルスケさんの悪事を全て公表しようと思います」

ブンキチ 「今まで……自分も共犯者だったので言い出せませんでしたが……  このままじゃいけないと思って……」

ブンキチ 「自分も、罪を償います」

選択肢【それがいいよ】/【どうやって殺したの?】

→【それがいいよ】 ブンキチ 「……はい  もっと早くそうするべきでした……」

→【どうやって殺したの?】 ブンキチ「……すみません 思い出したくもないんです……」

ブンキチ 「(プレイヤー名)さんはこのままでいいんですか?  人殺しのAIが自分のコードマンで」

ブンキチ 「おそらくヨルスケさんは師匠の件は事故だとでも言ったのでしょう」

ブンキチ 「それはウソです  ヨルスケさんの口車に乗せられないでください」

【……………………】

ブンキチ 「……自分が公表する前に  契約を解除した方がいいかもしれませんね」

選択肢【そうする】/【悩む】

→【そうする】 ブンキチ 「えぇ、それが最善かと」

→【悩む】 ブンキチ「……行動を起こすなら早い方がいいですよ あのAIは……何をするか分かりませんから」

ブンキチ 「……自分、ちゃんと罪を償って……」

ブンキチ 「それでもう一度舞台に立てるよう……また一からがんばります……」


ヒュートラム 「…………………………」

フィオーレ 「ヒュー様?  どうかなさった?」

ヒュートラム 「……いや  くだらん話を耳にした」

フィオーレ 「……?  あ、特別席はここですよ」

ヒュートラム 「……私には関係のないことだ」


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  • 最終更新: 2021/06/18