ランバーン

　……あの通信記録の通りなら そろそろ時間だな……

ランバーン

　クロードが何か嗅ぎつけてくるかもしれない？

　……お前まさか それを言うために ここまで来たのか？

　物好きもここまでくると 救いようがねぇなぁ

　……けど 逃げるつもりはない

　わざわざ来てもらって悪いけどな

　……！

　……今夜の主役が 登場したみたいだな

　隠れるぞ

ビホルダー幹部

　例のブツはどこにある？

　……こちらの準備は万端だ 心配には及ばん

　確かに我が邸宅に賊は侵入したが 金は既に倉庫へと運び込んだ後

　何も盗まず逃げたようだ

　ハハハ どこの誰だか知らんが馬鹿なやつめ！

　……は？　いまさら何を言っている

　スラムの教育資金なんて 金を集めるための口実だ

　スラムのガキを教育したって ドブネズミが ネズミになるだけ

　だったらL-DOGに 使った方がマシだろう

　よほど賢いのでな！　ガハハ！！

ランバーン

　………………………

　確かにな……

　スラムのやつらに教育なんかしたって 旧型AIの知能にさえ及ばない……

　そういうやつは 路上で腹空かせて倒れてるか 物乞いでもして生きるしかねぇ

　それが特別　不幸ってわけじゃない　……この世界では

　………だけどよ……

　ドブネズミでも、明るい場所で生きる権利はある　……あるはずなんだ

　それが許されないなら……

　この世界の仕組みごと ぶっ壊すしかねぇだろうが……！！

武器商人

　………ん？

　そこのお前　何している！？

ビホルダー幹部

　俺たちの話を聞いていたな？

武器商人

　……始末しましょう

ビホルダー幹部

　ガハハ！！　波止場は死体の処理が楽でいい

　海に投げ落とすだけだ

（パトカーのサイレン）

ビホルダー幹部

　な、なんだ！？　パトカーがいっぱいおるぞ！？

警察ロボットAI乙

　目標発見

警察ロボットAI甲

　捕獲開始

？？？

　警察だ！　大人しくしろ！！

武器商人

　しまった！　サツに囲まれてる……！

　逃げるぞ……！

ビホルダー幹部

　ま、待て……！　例のブツは……！

武器商人

　それどころじゃねぇ！　とっととずらかるぞ！

ビホルダー幹部

　ワ、ワシを置いて行くなあああぁ！

ランバーン

　…………なんてな

ランバーン

　警察は来てねぇよ

　パトカーの中を見てみろ　誰も乗ってねぇだろ？

　プログラミングを書き換えて 遠隔操作ができるようにしたんだ

ロボ甲＆ロボ乙

　……………………

ランバーン

　こいつらもな

　警察を辞める時にちょろまかしたやつを改造して……

　あ？　言ってなかったか？

　俺は元々警察組織に属す 防犯プログラムのAIだ

　その知識を応用すれば 警察のフリをすることくらい朝飯前なんだよ

ロボ甲

　現在の時刻は夜です　あなたの発言には誤りがあります

　正確には、夜飯前です

ランバーン

　小うるさいことまでしゃべるようになっちまったがな

ロボ甲

　対象者(プレイヤー名)の心理状態の乱れあり　原因を追求します

　困惑、混乱、怒り、安堵……　これらの感情を検知しました

　総括します　状況を理解出来ていない ……となります

ランバーン

　まぁつまり　最初から最後まで 全部俺の計画通りってことだ

　お前がクロードと接触したことも知ってるぞ

　んで、今回クロードは動かない　決定的な証拠がないからな

ロボ甲

　総括します 　あなたの行動は全てお見通し ……となります

ランバーン

　そういうことだ

　まぁ、まさか ここに駆け付けて来るとは思わなかったがな

　それだけは想定外だった

　本当に、物好きなやつだな

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▶ ストーリー（ランバーン） ※本編ネタバレ注意