ランバーン

 (プレイヤー名)ちょっといいか これを見てくれ


ロボ甲

 おっ、なんだ?


ロボ乙

 このあいだ (プレイヤー名)が誘拐されたときに送ってくれた動画ね

 それがどうかしたの?


ランバーン

 見ればわかる 再生するぞ

 ――ここだ


ロボ甲

 ……あれ? 素体のパーツが入ってる袋に文字列が書いてある


【A:いま気づいた】

ランバーン

 いつ気づいても変わらねぇと思うぞ

【B:とっくに気づいてた】

ランバーン

 そうか、だが手出しできたもんじゃなかっただろ


ランバーン

 なかなかの強度の暗号だ 気づいたところで人間に解析できる代物じゃない


ロボ乙

 でも、あなたには なにが書いてあるかわかったんでしょ?


ロボ甲  もったいぶるなよ ランバーン


ランバーン

 俺が解析したところ こう書いてある

 『ビホルダー・ビューイング・パレス』


ロボ甲

 『ビホルダー・ビューイング・パレス』……?


ロボ乙

 それって埋立地に新しくできたレジャー施設よね


【A:またビホルダー!?】

ロボ乙

 なんだか、ちょっと意識しちゃうわよね……

 偽装誘拐の一件で スラム街での人さらいにビホルダーグループが

 関わってるかもって わかったんですもの

【B:さすがの資金力!!】

ロボ甲

 ほんとだよなぁ! ……って、そこかよ!?

 偽装誘拐の一件で スラム街での人さらいにビホルダーグループが

 関わってるかもって わかっただろ!?


ランバーン

 この荷物は『ビホルダー・ビューイング・パレス』の中にある

 『ホテル・エリュシオン』に運び込まれているらしい


ロボ甲

 『ホテル・エリュシオン』?


ロボ乙

 んもう、あなた ニュースくらい見たらどう?

 『ホテル・エリュシオン』っていうのは 世界のセレブ御用達の超高級ホテルよ

 世界中の娯楽や美食を集めたホテルは 乙女なAIたちの憧れの的なんだから!


ロボ甲

 うーん……乙女なAIっての、どうも違和感あるんだよなあ……


ロボ乙

 だけど、変ねえ 『ホテル・エリュシオン』は高級ホテルよ?

 どうしてそんなところに大量の素体のパーツを運び込む必要があるのかしら


ランバーン  そこで、だ このデータを見ろ


ロボ甲

 うわっ 悪そーな顔したタヌキおやじの顔写真……


ロボ乙

 この人……ビホルダーグループの幹部のひとり ギー・ダールトンね


【誰?】


ランバーン

 ホテルの建設に関わっていた人間のひとりだ そして……

 『ニヒト計画』に関係しているかもしれないと 俺が追っていた人物でもある


ロボ甲

 コイツがなんだっていうんだよ?


ランバーン

 ビホルダーグループと『ニヒト計画』のつながりを確認する手がかりになるかもしれない

 (プレイヤー名)には この男が『ホテル・エリュシオン』に出入りしているかどうかを確かめてもらいたい


【A:どうやって?】

ランバーン

 ホテルの客を装って ロビーで見張ってるだけでいい

 俺みたいなヤツが高級ホテルをうろついてると悪目立ちするからな

【B:ひとりで?】

ランバーン

 俺みたいなヤツが高級ホテルをうろついてると悪目立ちするからな

 ホテルの客を装って ロビーで見張ってるだけでいい


ランバーン

 そのあいだに俺は別件の調査を進める

 結構は明日の夜だ


ロボ乙

 明日の夜って……たしか『ホテル・エリュシオン』のオープニングイベントとして『ザ・ゼノン』が開催されるのよね


ランバーン

 ああ、ダールトンは その『ザ・ゼノン』を観戦しにくる可能性が高い

 ダールトンが現れたら あわよくばヤツのあとを尾けて 泊まっている部屋も突き止めてくれ

 頼んだぞ (プレイヤー名)




クロード

 承諾しかねる

 なぜ捜査を打ち切らなければならないんだ!


長官

 君が納得する必要はないよ これは決定だ


クロード

 だが……スラム街では、依然 行方不明事件が多発している

 この状況で、市民が安心して過ごせるはずがない!


長官

 ……『市民』?


クロード

 ……なんだ


長官

 私たちが守るべき『市民』は きちんと登録された場所で就労し 税を納めている人間……

 違うかね、クロード君?


クロード

 ……そのとおりだ


長官

 スラム街の人間は その義務を?


クロード

 ……果たしている者は少ないだろう


長官

 わかっているじゃないか それに……

 捜索願が出ていないものを 私たちが先回りしてどうこうするわけにはいかないな

 いやはや、残念だ みなに必要とされる人間ならば捜索願だって出ているだろうに……

 誰にも必要とされない寂しい人生

 人として生まれた以上 そんな生き方だけはしたくないものだな


クロード

 くっ…………!


長官

 ああ、クロード君

 捜査が続けられないからといって、間違っても秘密裏に動くようなことはしてくれるなよ

 君がヘマをすれば私の責任問題になる


クロード

 そんな理由で……!


長官

 それよりも、君はほかにやるべきことがあるだろう?

 ダールトン邸にランバーンが盗みに入ったそうじゃないか


クロード

 ……!? アイツが……


長官

 例によって、証拠はひとつも残さなかったそうだがね

 上層部では ほぼクロと見ている

 なんでも、多額の金品が持ち去られたとか……

 元相棒が盗みを働いたなどということになれば 君、これは恥ずべきことだぞ

 こんなことが続けば 今後、君を公に活動させるのは難しくなってしまうだろうな


クロード

 …………


長官

 いらないことを考えている暇はないはずだ

 そちらのほうに集中しろ わかったな


クロード

 …………了解した




■ 次話:「3章2話」へ

■ 前話:「2章 外道の覚悟 5.5話 エピローグ」へ




基本情報はこちら
ランバーン・タイダル

▶ ストーリー(ランバーン) ※本編ネタバレ注意

1章 盗賊の流儀
1話 2話 3話
4話 5話 5.5話
2章 外道の覚悟
1話 2話 3話
4話 5話 5.5話
3章 犬と咎人
1話 2話 3話
4話 5話 5.5話
4章 悪逆の徒
1話 2話 3話
4話 5話 5.5話


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  • 最終更新: 2020/08/31