クロード

 ……檻……? 中に人間が……!!

 なんだ、ここは……

 ランバーン、お前 こんなことに関わっているのか


ランバーン

 ……そうだったら どうするんだ?


クロード

 ……ッ

 いや……それだけはないな ……悪かった


***

 ……み……みず……


クロード

 生存者がいるのか!?

 待っていろ すぐに応援を呼んで医療機関に搬送する


???

 その必要はないよ クロード君


クロード

 ……!?

 ダールトン…… どうしてここへ……


ダールトン

 おかしなことを言う

 この部屋は私が一年中押さえているのだよ

 侵入者は君たちのほうだ 違うかね?


ランバーン

 …………


***

 ……た……たすけ……

***

 ……うちへ……かえして……


クロード

 ひとまず人命救助が最優先だ 医療機関に連絡を……


ダールトン

 ……クロード君 今夜 護衛の任務以外で見たものは忘れてくれないか


クロード

 ……どういう意味だ


ダールトン

 なに、ここに残っているのは使いものにならなかったものばかりだ

 役に立たないものは捨てるまで とくに気にする必要はないよ


クロード

 なんだと!?

 医療機関とともに警察にも応援を要請する

 お前のやっていることは れっきとした犯罪行為だ


ダールトン

 やれやれ コードマンともあろう君が こんなに物分かりが悪いとは思わなかったな

 たとえ警察の仲間を呼んだとしても 無益な犠牲を増やすだけだ

 いや、たとえここに踏み込んでこないとしても

 君が勝手な真似をするなら 仲間の無事は保証できないな

 私はね 警察のお偉方に友人が多いんだ

 ……君の仲間に、突然記憶データが消えたり 行方不明になったりする者が出なければいいが


クロード

 ……!?


ダールトン

 仲間と 君のご立派な正義と どちらがより大切か……

 君の優秀な演算機能で じっくり考えてみるといい


クロード

 ……ッ、貴様……!!


***

 け……警察が来てくれたの……?

***

 た、たすけてくれ……!


ダールトン

 フン、ムダだよ

 警察組織に所属するとはいえ こいつらも所詮は犬……

 飼い主に逆らうことはできないからね


クロード

 …………


ダールトン

 不満があるなら警察らしいところを見せてもらおうか

 ちょうど目の前に 私の家に盗みに入った者がいるんだ

 どうするべきかわかるね アッシュ・クロード


クロード

 ……ッ、……


ランバーン

 ……お前も結局 権力に尻尾を振るか?


クロード

 権力におもねるわけではない 規律に従おうとしているだけだ

 ……仲間を危険にさらすわけにはいかない


ランバーン

 ……アイツが今のお前を見たら どう思うだろうな


クロード

 あの人なら……きっと、わかってくれる

 俺は、俺の信じた方法で いつか絶対に『ニヒト計画』を潰してみせる


ランバーン

 じゃあお前はチャンスが来るまで

 こうやって正しい方法じゃ裁けない悪を見逃し続けるのか


クロード

 見逃すわけではない

 問題の根本を断たなければ意味がない!


ランバーン

 たしかにそうだろうよ ご立派なことだ だがな……

 お前がまっとうなやり方でなんとかしようとしてるうちに

 こうしてたくさんの人間が犠牲になってる

 お前は、コイツらを見殺しにしてるのと同じなんだよ!!


クロード

 ……だからといって 感情で他者を裁くわけにはいかない

 法を執行するものが法を破れば そこはただの無法地帯だ……!!


ランバーン

 …………

 ……そうか

 お前が、あくまで正しい道を行くと言うのなら――

 俺は外道になってでも『ニヒト計画』をぶっ潰す


クロード

 …………


ダールトン

 いや、困ったな

 どちらも弁が立つと喧嘩の決着がつかないじゃないか

 君たちはコードマンだ 殴り合ったところで勝敗が決まるものではないだろうし……

 どうかね ゼノンザードで白黒はっきりさせるというのは?


ランバーン

 そういやオッサン 『ザ・ゼノン』観戦を抜けて来たんだったな


ダールトン

 ああ、そうだ

 コードマンたちの白熱したバトルが見られると思って楽しみにしていたんだよ

 だが……そうだな

 君たちが本気になってくれたなら 私も少しは楽しめるかもしれない

 勝敗に条件をつけようじゃないか

【条件?】

ダールトン

 こういうのはどうだ?

 クロード君が勝ったら ランバーン君を逮捕する

 ランバーン君が勝ったら クロード君は彼を見逃す


ランバーン

 あぁ? それだけだと俺は本気になれねぇな

 勘違いしてもらっちゃ困るが、

 俺はいつでもそのポリ公の目を盗んで逃げられるんだ

 それより ギー・ダールトン 俺はお前とお近づきになりてぇな

 いろいろと話を聞かせてくれよ たとえば――

 人間とAIを掛け合わせると いったいなにが生まれるのか


クロード

 人間とAIを……? それは……

 ダールトン、貴様 もしや……!!


ダールトン

 ……ふむ……?


ランバーン

 興味深い話題だろ?


ダールトン

 ……いいだろう

 たがいに腹を割って 知っていることを教え合おうじゃないか

 ……万が一 君が勝ったらの話だが


ランバーン

 そうこなくっちゃな

 来いよ、クロード 手加減しねぇぞ 覚悟しろ


<ストーリーバトル>VS クロード




■ 次話:「3章5話」へ

■ 前話:「3章3話」へ




基本情報はこちら
ランバーン・タイダル

▶ ストーリー(ランバーン) ※本編ネタバレ注意

1章 盗賊の流儀
1話 2話 3話
4話 5話 5.5話
2章 外道の覚悟
1話 2話 3話
4話 5話 5.5話
3章 犬と咎人
1話 2話 3話
4話 5話 5.5話
4章 悪逆の徒
1話 2話 3話
4話 5話 5.5話


コメントを入力:
画像の文字が読めなければ、文字を読んだ.wavファイルをダウンロードして下さい。
 
  • story/ranburn-s3-4.txt
  • 最終更新: 2020/08/31