クロード

 …………


ランバーン

 ……俺の勝ちだ

 お前、強くなったな ……アイツならきっとそう言うよ


クロード

 ……お前があの人のことを語るな……!!


ダールトン

 いやはや、見事 さすがはコードマン同士のゼノンザードだ


ランバーン

 ……余裕だな、オッサン

 俺を逃がすと この部屋で見聞きしたことを触れ回るかもしれないぞ


ダールトン

 なに、お前のような盗賊風情の言うことなど 誰ひとり信じはせんよ


ランバーン

 ………… 

 それなら聞かせてもらおうか 人間とAIを掛け合わせると

 いったい なにが生まれるのか……


ダールトン

 ……!!


ランバーン

 俺が勝ったら 知ってることを教え合おうっていう約束だったよな?


ダールトン

 み……妙なことを言う 私は知らんぞ そんなことは……


ランバーン

 ……なぁ、オッサン

 俺は、あそこにいるポリ公と違って あんまり気が長いほうじゃねぇんだ

 次に適当なこと言いやがったら どうなるかわかってんだろうな?


ダールトン

 ぐっ……

 わ、わかった だが『ニヒト計画』については本当に言えないんだ

 かわりに ここにいるスラム街の人間を解放してやろう それでどうだ?

【よかった……!】

ランバーン

 …………

 ……放っておいても死んでいくようなヤツらと 情報が等価値だとでも思ってんのか?

【な、なに言ってるの!?】

ダールトン

 ……ハハッ! どうやら私は、君のことを見くびっていたようだ

 君の言うとおり 下賤なゴミどもの命より 情報の価値のほうがはるかに高い


ランバーン

 …………


ダールトン

 しかし、こればかりは 口外すれば私の命が危なくなる

 なにが望みだ? 金か? 権力か? お前の思う以上に揃えてや……


(殴打音)


ダールトン

 ……ッ、ふぐぅ……!!

 な……殴っ……!? バカな、人に危害を加えられないはずのAIがなぜ……


ランバーン

 ……前職の関係でね 俺は犯罪者の拘束のためなら 人間に対しても発砲くらいならできる


ダールトン

 そ……そうか、お前 もとは警察にいた……


(殴打音)

ランバーン

 情報を吐く気がねぇなら黙ってろ

 ……お前らみたいなクズが一番無価値なんだよ


クロード

 …………


ランバーン

 さて、と…… この薄気味悪ぃ檻の制御装置はどこだ?

 ああ……これか …………よし


クロード

 そうか…… 制御装置をハッキングして 電子錠を開けたのか……

【ランバーン、手伝うよ!】

ランバーン

 ……なんだ 能天気なやつだな

 俺は、お前にも平気でホラ吹けるようなヤツだぞ

【A:ランバーンのこと信じてた】

ランバーン

 そんなにホイホイ信用するもんじゃねぇ

【B:それがランバーンの流儀でしょ】

ランバーン

 なんにでも乗っかればいいってもんじゃないだろうが


【大丈夫、『共犯者』だから】

ランバーン

 『共犯者』……

 ……そうだったな


ダールトン

 そ……そいつらを逃がしてもムダだ

 スラムの連中など すぐに始末してやるからな!!


ランバーン

 ……そうだよなぁ

 ここでアンタたちがやってたこと 言いふらされたら困るもんな?


ダールトン

 け、警察に通報してやる!!

 我が家に忍び込んで 金品を奪った盗賊がここにいると!


ランバーン

 どうぞ、ご自由に

 盗まれたもの ちゃんと確認したか?


ダールトン

 もちろんだ!!

 電子証券から貴金属まで 手当たり次第盗みやがって……


ランバーン

 おいおい 本当に全部確認できてるのかよ


ダールトン

 は?


ランバーン

 こういうものも盗まれてるぜ?


ダールトン

 ぬぅっ……!! なんだ、いきなりライトを点けるとは……


クロード

 いや……違う ライトではない

 壁に画像データを投影しているんだ

 ……!! これは……


ランバーン

 ああ、ギー・ダールトンが 口にするのも恥ずかしい趣味を

 楽しんでらっしゃるときの写真だな


ダールトン

 ……な、っ……!


ランバーン

 ダールトン様のおっしゃるとおり 盗賊風情の言うことなんて誰も信じないだろ?

 誰が見ても明らかなやり方を考えねぇと

 データはいいよなぁ コピーして盗み出せるし ばらまいちまえば出どころもわかりにくい

 いざってときの切り札に もってこいだと思わねぇか?

 え? ダールトンさんよ


ダールトン

 ……っ……!


ランバーン

 観念しろよ スラムのヤツらの誘拐についてはここに証拠も揃ってる

 そうだよな? お巡りさん


クロード

 ……!!

 ―― ギー・ダールトン スラムの住人の略取・誘拐の件で同行願おうか


ダールトン

 くっ……

 盗賊風情が…… 覚えていろ……!!


ランバーン

 ハハッ、怖えなぁ

 ……なあ、クロード

 住居侵入に窃盗、恐喝…… 堅物のお前には、とうてい受け入れられねぇと思うが

 そんなやり方でしか救えない命もあるんだ


クロード

 …………


ランバーン

 ……行くぞ (プレイヤー名)


クロード

 ……!! おい、待て ランバーン!!!

 …………




ロボ乙

 それにしても驚いたわよね

 まさか『ホテル・エリュシオン』にそんな隠し部屋があったなんて……


ロボ甲

 そうだよな ランバーンの記憶データを見るまで信じらんなかったぜ


ロボ乙

 誘拐されてた人たちは みんな病院に搬送されて一命をとりとめたみたい

 よかったわ


ロボ甲

 (プレイヤー名)が ダールトンの部屋を突き止めたおかげだな!

 ……っと、なんだ(プレイヤー名)? そのわりには不満そうじゃないか


ロボ乙

 どうしたの? 気になることがあるなら言っちゃいなさいよ

【最上階の『ザ・ゼノン』……】

ロボ乙

 えっ? もしかして、ホテルのオープニングイベントの?

【ランバーンと出たかった……】

ランバーン

 …………


ロボ甲

 おいおい……クロードとあれだけ熱いゼノンザードやっといて、まだやるのかよ!


ロボ乙

 もう……ホント(プレイヤー名)ったら ゼノンザードには目がないんだから


ランバーン

 クッ…… ハハハハハ……!


ロボ乙

 な、なに? 今度はランバーン? どうしちゃったのよ


ランバーン

 (プレイヤー名) お前、大物の器だな

 今夜のところは サシの勝負で我慢してくれよ



ランバーン

 後悔すんなよ

 俺、強いからな?

【知ってる、『共犯者』だから】

ランバーン

 ……ハハッ 『共犯者』、か……

 頼りにしてるぜ ――『共犯者』




■ 次話:「3章5.5話 エピローグ」へ

■ 前話:「3章4話」へ




基本情報はこちら
ランバーン・タイダル

▶ ストーリー(ランバーン) ※本編ネタバレ注意

1章 盗賊の流儀
1話 2話 3話
4話 5話 5.5話
2章 外道の覚悟
1話 2話 3話
4話 5話 5.5話
3章 犬と咎人
1話 2話 3話
4話 5話 5.5話
4章 悪逆の徒
1話 2話 3話
4話 5話 5.5話


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  • 最終更新: 2020/08/31